特殊高所技術が安全である理由

特殊高所技術は、「労働安全衛生法」や「労働安全衛生規則」に準拠していることは言うまでもありません。

2009年には、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に有用な新技術として登録されており、安全性について「従来技術より優れる」という評価を頂いています。

使用機材の安全性

ロープやカラビナ等の装備やヘルメット等の個人保護具は、欧州規格(CE、EN)に適合したものを使用しています。さらに、弊社ではメーカーより厳しい破棄基準を設け、装備・個人保護具の点検を行っています。

スタティックロープ

  • 破断強度23kN(キロニュートン)以上のスタティックロープを使用
  • 装備・保護具は、損傷の可能性が否定できない場合は、即破棄
    (例:ロープの外皮の毛羽立ちや、塗料や溶剤の付着等が確認されたり、カラビナや下降器、金属製素材に強い衝撃が加わった可能性がある場合など)

多重安全作業システム

高所作業においては、使用機材の破損やヒューマンエラーにも対応するように、多重の安全対策を行っています。
以下に具体例を示します。

ロープ支点の脱落対策

作業前にロープの支点に動荷重をかけ、仮荷重テストを行い耐荷重性能が確認された2点以上の支点を用いて作業を行っています。
仮荷重テスト 基本的な支点
基本的な支点例:耐荷重性能が確認された、異なる部材(2点以上)から力を分散さるように作成する。

鋭利な角が接触する事によるロープの損傷対策

ロープがコンクリートのエッジ等に接触する可能性がある場合は、下降中に支点を作成し荷重を乗せ換えるリビレイ、ロープの流れる向きを変えるディビエーション等の技術を用いたり、ロープにプロテクターをあてることにより、ロープが損傷する可能性を徹底的に排除しています。
リビレイ ディビエーション ロープガード

回転工具の使用によるロープ損傷対策

万一のロープ損傷・切断に備え、メインロープ+バックアップ用のロープもしくは別系統からの自己確保を行います。
bur2 別系統からの自己確保

落下物による事故、または作業用具の落下による第三者被害

作業用具は、筆記用具に至るまで全てに落下防止処置(2点)を施しており、上下作業の禁止、作業現場周辺、特にロープの支点周辺や作業員下部は立ち入り禁止としています。

技術者の安全意識と危機管理能力

全ての特殊高所技術者(1級・2級)は、一般社団法人特殊高所技術協会が行う講習中に、レスキュー技術を身に着けます。また、1年の更新講習時に再度講習を行い、技術者のレスキュー技術向上に努めています。
レスキュー訓練 レスキュー訓練 レスキュー訓練
写真提供:一般社団法人特殊高所技術協会